【PES LEAGUE WORLD TOUR 2018】「アジアラウンド」と「南北アメリカラウンド」を終えて

2018.05.02 KONAMI

3月31日、アルゼンチン・ブエノスアイレスで「PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 南北アメリカラウンド」を開催した。1v1部門は「アジアラウンド」に続いてフランスのTioMiit_PWが連覇。また、今ラウンドからはじまったCO-OP部門でも、フランスのNeo_TerribleTank、Neo_Kampfer、Neo_Lotfiの3名で構成するNeo Esportsが制した。

サッカーゲーム「ウイニングイレブン」の世界No.1プレーヤーを決定するKONAMI公式のeスポーツ大会「PES LEAGUE WORLD TOUR 2018」は、1月14日東京での「アジアラウンド」開催を皮切りに、3月31日にはアルゼンチン・ブエノスアイレスで「南北アメリカラウンド」を実施。続く5月5日にはドイツ・ベルリンにて「ヨーロッパラウンド」を開催する。この世界最高峰の戦いに参加する資格を得た選手達は、まずは3つのラウンドで順位を争い「ワールドツアーポイント」を奪い合う。「ヨーロッパラウンド」終了後、「ワールドツアーポイント」によるランキングで、1v1部門の上位8名とCO-OP部門の上位4クランが、今年の夏に開催を予定する決勝大会「WORLD FINALS」への出場権を獲得できる。

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大会概要

「南北アメリカラウンド」を終了し、残るラウンドは5月5日の「ヨーロッパラウンド」のみとなった。この夏、決勝大会に進出する顔ぶれは果たして―。

今回、「アジアラウンド」と「南北アメリカラウンド」で解説をつとめ、世界のトッププレーヤー達によるこれまでの戦いをリアルタイムで見てきたKONAMIのPES LEAGUE解説者、梅津 慧(うめづ・けい)が、両ラウンドのレビューと来る「ヨーロッパラウンド」の見所を語る。

KONAMIのPES LEAGUE解説者 梅津 慧
KONAMIのPES LEAGUE解説者 梅津 慧

アジア・南北アメリカの両ラウンドを連覇したTioMiit_PW

“プレースタイルに特徴があまり無いのが特徴かなっていう選手。日本のmayagekaやGuiFeraみたいな派手な上手さがあまりなくて。堅実でミスが少なく基本に忠実。本当に精密機械のように決められた攻めのパターン、守りのパターンをミス無く繰り返すような選手”
KONAMI 梅津 慧

TioMiit_PWは「アジアラウンド」に続き「南北アメリカラウンド」も制した
TioMiit_PWは「アジアラウンド」に続き「南北アメリカラウンド」も制した

「アジアラウンド」で手に汗握る決勝戦を制し、続く「南北アメリカラウンド」決勝で4-0の完勝劇を演じたのは、フランスのTioMiit_PWだ。前年度大会ベスト8の成績で今大会に臨み、アジアと南北アメリカの両ラウンドを連覇した。精密機械を思わせる淡々とした攻めと守りで、じわじわと対戦相手を攻略するプレースタイルで勝利を積み重ねた。得点時にもあまり感情を表に出さない冷静さが他のプレーヤーと対照的で、josesg93との決戦を終え「アジアラウンド」の優勝が決まった瞬間の、外したメガネをそっとテーブルの上に置くモーションが印象的だった。現在、「ワールドツアーポイント」を2,000ポイント獲得し、ランキングの首位を独走している。

“TioMiit_PWのラウンド3連覇は無くはないと思います。5月5日はヨーロッパですし。ほぼ地元といっていい、フランスと隣国のドイツ開催なので”
KONAMI 梅津 慧

PES LEAGUE WORLD TOUR 2018

ヨーロッパでのラウンド3連覇達成に期待がかかるTioMiit_PW。ただラウンド2連覇を果たしたTioMiit_PWも、これまでの戦い全てに大差をつけて勝利しているわけではない。「南北アメリカラウンド」のグループステージ1戦目では、独特のリズムを持つHenrykinhOの攻撃を抑えられずに1-4の大差で敗れている。「PES LEAGUE WORLD TOUR」では、いつ誰がどこで敗れてもおかしくない。

開催国の選手が有利?

“「アジアラウンド」も「南北アメリカラウンド」も、ホームの選手が強いのかなっていう印象はありました。「アジアラウンド」であれば日本人選手が2人もベスト4に入りましたし、「南北アメリカラウンド」では優勝こそフランスのTioMiit_PWでしたけれど。準優勝にはブラジルのFmestre12_PWも勝ち上がっていたので。”
KONAMI 梅津 慧

(左)Fmestre12_PW、(右)TioMiit_PW
(左)Fmestre12_PW、(右)TioMiit_PW

各ラウンドへの出場枠には開催国枠なども設けられていて、その地域の選手がその分だけ多く大会に出場していることを考えれば、開催国の選手が好成績を残している傾向が見られるとはいえリアルサッカー同様に「ウイニングイレブン」の大会でホームアドバンテージの影響を指摘するのは、早計な考えかもしれない。ただ、「アジアラウンド」では前年度大会の王者GuiFeraに日本のSOFIAが決勝トーナメントの1回戦で勝利した。SOFIAはGuiFeraの得意とする攻撃パターンを完封し、無失点に抑えた。更に前年度大会で準優勝だった“イタリアの天才”、Ettorito97もグループステージで姿を消した。昨年度の実力者達が、普段から「ウイニングイレブン」を練習をしている環境との差に馴染めず、力を発揮しきれなかった可能性も捨てきれない。

Ettorito97
Ettorito97
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「南北アメリカラウンド」からはCO-OP部門も開始

“日本のチームも出場しましたけれど、結果として1勝もできなかった。日本チームの選手は1v1部門には出ていていない選手で構成されているので、そこで個人の個々の能力の差が出たというのもあるかもしれない。優勝したNeo Esportsに関しては個々の1v1の能力も高く、尚且つチームとしてまとまっているところだった印象。それなりに練習量をこなしてきて、チームとしての連携する力もあったのでは”
KONAMI 梅津 慧

PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 CO-OP部門を制したNeo Esports
CO-OP部門を制したNeo Esports

「南北アメリカラウンド」からはCO-OP部門もスタート。出場資格を得た10クランで「ウイニングイレブン」の団体戦を競い合い、フランスのNeo Esportsが制した。日本からはParica、Qu、Masachuの3名で構成されたPQMが参戦したが、グループステージで勝利することは出来なかった。優勝したNeo EsportsやTOTAL FOOTBALLといったクランにはNeo_LotfiやNeo_Kampfer、INDOMINATORといった1v1部門に出場できる実力のある選手がメンバーに入っている。

叫ぶINDOMINATOR
叫ぶINDOMINATOR

「ヨーロッパラウンド」の見所

現在「ワールドツアーランキング」1v1部門では、前述のTioMiit_PWが2,000ポイントで1位を独走し、ブラジルのFmestre12_PWが750ポイントで2位、スペインのjosesg93が650で3位と続く。ここに3ラウンド目の「ヨーロッパラウンド」の結果を反映して「WORLD FINALS」の進出者を決定する。「ヨーロッパラウンド」には、就職活動を理由として一時的に「南北アメリカラウンド」の出場を辞退していた日本のSOFIAも参戦が決定している。

PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 「アジアラウンド」で世界の強豪に挑むSOFIA
「アジアラウンド」で世界の強豪に挑むSOFIA

“SOFIAが「ヨーロッパラウンド」に参戦するのは非常に大きいと思う。現在、350ポイントで6位なので。「ヨーロッパラウンド」のグループステージで4位以上になれれば50ポイントは加算されるので、だいぶ可能性は出てくるかと。あとは、SOFIAが「ヨーロッパラウンド」でどういうグループに入るかというところですね。恐らくポット分けは、下の方になる。ポット「3」か「4」か、その辺りかと思います。TioMiit_PWとかと同じグループにもなりかねない”
KONAMI 梅津 慧

「ワールドツアーランキング」のベスト8にランクインしている日本人はもう一人いる。現在、350ポイントで5位のmayagekaは「ヨーロッパラウンド」には出場できない。梅津によれば、「WORLD FINALS」へ進出できるベスト8に残るために必要なポイントは恐らく“400”ぐらいがボーダーラインとのことで、mayagekaの決勝大会進出は厳しい状況だ。

“mayagekaはポイントが増えないので400ポイントには届かないですが、もし11~13位くらいにいる150ポイントのMelianTheKing02、Aazbabysk、Cegoleといった「ヨーロッパラウンド」に出場する選手達がグループステージで敗退しつつ、まだランキング上に名前が無い新たな出場選手がベスト8に進出し、Alex AlguacilやTioMiit_PWといった「ワールドツアーランキング」上位の選手が上位入賞をすればmayagekaにも8位以内に残れる可能性は出てくる”
KONAMI 梅津 慧

PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 グループステージ1回戦でGuiFeraを破ったmayageka
グループステージ1回戦でGuiFeraを破ったmayageka

一方、CO-OP部門は「南北アメリカラウンド」からの開始となるため、優勝したNeo Esportsが現在1位、準優勝のTopPESBrasil - A Squadが2位につけている。「WORLD FINALS」へ進めるのは上位4クランまでとなり、1,000ポイントのNeo Esportsは確定しているが、2位以下の他のクランは安心できない。「ヨーロッパラウンド」の結果次第で、上位4クランの順位も変動するからだ。

“CO-OP部門は恐らく出場チームがガラッと変わる、ほぼ総入れ替えに近い。2位のTopPESBrasil - A Squadは「ヨーロッパラウンド」に出ないですがポイント的に落ちる可能性は低い。3位のelrey-sayajiinuc17は出場しない上にポイント的にも危ないですね。4位のTOTAL FOOTBALLは「ヨーロッパラウンド」に出るので、次もグループリーグを通過できればだいぶ有利になる。南北アメリカラウンドの試合を見ている限り、TOTAL FOOTBALLは優勝候補だと思う。ただ、「ヨーロッパラウンド」から参加するGuiFeraのクラン、Ettorito97のいるBroken Silence、josesg93のいるShadow Hunters、その辺りがどんな戦いをするのかが楽しみです”
KONAMI 梅津 慧

Neo Esports
Neo Esports
TopPESBrasil - A Squad
TopPESBrasil - A Squad

決勝大会「WORLD FINALS」への出場権をかけた運命のラウンド「PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 ヨーロッパラウンド」は、TwitchやYOUTUBEでライブ配信を予定。「ウイニングイレブン」のトッププレーヤー達による戦いを見逃さないで欲しい。

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